Question:
サステナビリティ開示はどこに開示するのですか。何か決まりがありますか?
Answer:
現時点では、サステナビリティ情報についてどこに開示すべきかという一元的な基準はなく、一般に公表される個々の開示媒体に関連する報告基準や会社の判断によるところが多いです。
たとえば、有価証券報告書では、女性役員の割合など広い意味でサステナビリティに関連する開示項目があります。
また、コーポレートガバナンス・コードで要求されている事項はコーポレート・ガバナンス報告書に概要を記載することになりますが、詳細は他の媒体を参照するケースが多いです。具体的には、サステナビリティレポート、CSR報告書、統合報告書、有価証券報告書、自社のホームページ等です。
ただし、有価証券報告書にサステナビリティ情報を開示することが検討されていますので、今後の動きには留意が必要です。
2022年6月13日に公表された金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ報告」では、有価証券報告書において、サステナビリティ情報を一体的に提供する枠組みとして、独立した「記載欄」を創設することとされています。そして、「記載欄」には、国際的なフレームワークと整合的な「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の4つの構成要素に基づく開示を行うこととし、
・ 企業において、自社の業態や経営環境、企業価値への影響等を踏まえ、サステナビリティ情報を認識し、その重要性を
判断する枠組みが必要となる観点から、「ガバナンス」と「リスク管理」は全ての企業が開示する
・ 「戦略」と「指標と目標」は、開示が望ましいものの、各企業が「ガバナンス」と「リスク管理」の枠組みを通じて重要性を
判断して開示する
こととすべきである、とされています。
なお、「戦略」と「指標と目標」について、各企業が重要性を判断した上で記載しないこととした場合でも、投資家にとって有用な情報である当該判断やその根拠を含めた開示を積極的に行うことが強く期待される、としています。