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サステナビリティに関する情報 第5回

サステナビリティに関する情報 第5回

Question:

 気候変動リスクについて何を開示することが求められているのでしょうか。また、気候変動リスクに関連してよく耳にするTCFDとは何でしょうか。

Answer:

 コーポレートガバナンス・コードでは、以下の記載があります。

補充原則

 3-1③ 上場会社は、経営戦略の開示に当たって、自社のサステナビリティについて の取組みを適切に開示すべきである。また、人的資本や知的財産への投資等についても、自社の経営戦略・経営課題との整合性を意識しつつ分かりやすく具体的に情報を開示・提供すべきである。 特に、プライム市場上場会社は、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、必要なデータの収集と分析を行い、国際的に確立された開示の枠組みであるTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示の質と量の充実を進めるべきである。

 上記の通り、コーポレートガバナンス・コードでは、少なくともプライム市場に上場している会社に対して、TCFD(またはそれと同等の枠組み)に基づく開示を求めています。

 次に、TCFDについてですが、TCFDとは「Task Force on Climate‐related Financial Disclosures」の略で、G20の要請によりFRB(金融安定理事会)によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォースです。

 コーポレートガバナンス・コードでは、プライム市場上場会社は、気候変動リスクについてTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示の質と量の充実を進めるべきとしています。

 TCFDでは「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標・目標」の4つのテーマごとに開示推奨項目を全11項目示しています。

ガバナンス

①取締役会による監視体制

気候関連のリスク及び機会についての、取締役会による監視体制を説明する。

②経営者の役割

気候関連のリスク及び機会を評価・管理する上での経営者の役割を説明する。

リスク管理

③リスクを評価・識別するプロセス

組織が気候関連リスクを識別・評価するプロセスを説明する。

④リスクを管理するプロセス

組織が気候関連リスクを管理するプロセスを説明する。

⑤③④が総合的リスク管理に統合されているか

組織が気候関連リスクを識別・評価・管理するプロセスが組織の総合的リスク管理にどのように統合されているかについて説明する。

戦略

⑥リスクと機会

組織が識別した、短期・中期・長期の気候関連のリスク及び機会を説明する。

⑦ビジネス・戦略・財務計画への影響

気候関連のリスク及び機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響を説明する。

⑧2℃シナリオを含む、様々な気候関連シナリオに基づく検討を踏まえて組織の戦略のレジリエンス(適応力)について説明する。

指標・目標

⑨リスクと機会の評価に用いる指標

組織が、自らの戦略とリスク管理プロセスに即して、気候関連のリスク及び機会を評価する際に用いる指標を開示する。

⑩Scope1、Scope2及びあてはまる場合はScope3の温室効果ガス(GHG)排出量と、その関連リスクについて開示する。

Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)

Scope2 : 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出

Scope3 : Scope1、Scope2以外の間接排出。

⑪リスクと機会の管理に用いる指標と実績

組織が気候変動リスク及び機会を管理するために用いる指標、及び目標に対する実績について説明する。

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